初めての海外一人旅ベトナム。国内線を利用しホーチミンから一気にダナン、ホイアンへ。
昨夜、部屋の冷蔵庫でキリっと冷えたハイネケンを2本も頂戴したのに、なかなか寝付けず、寝たと思ったらすぐに目を覚ますようなことを繰り返しまったく熟睡することは出来なかった。
人生で初めての海外一人旅、そして初夜である。
いつもと違い安全であるという保証がされていないと無意識のうちに体が感じているのだろうか、緊張を解くことが出来ずに神経を摩耗しているような感覚、疲れ方だった。
海外へは使い慣れた腕時計を持っていくべき。安物ならなお良し。
ベトナムと日本の時差は2時間で、ベトナムの方が2時間遅れている。
寝る前に身につけている時計も2時間遅らせたつもりだったのだが、普段使いなれていない、安いデジタル式の腕時計を持って行ったものだから、誤って12時間も遅らせてしまっており、ふと目覚めに時計をみたら17時の表示だった。海外に来たということと熟睡できずにいた脳が混乱し、まさか夕方まで寝すごしてしまったのではないかとかなり焦った。
あまり高級な腕時計をしている人は別だが、時計に関してはできればいつも身につけている使い慣れたものの方が無用なトラブルを防ぐことが出来そうだ。
ホテルの朝食としてバイキングが用意されているので朝ご飯はそれですますことにした。
日本のビジネスホテルと同じような、簡易的なバイキングではあるけれど、それでもフォーや生春巻きなどベトナム料理が並ぶのを見ると異国に来たのだという実感が湧いてくる。
まだ1日目、この先腹痛で苦しみたくなかったので、ホテルには申し訳ないがサラダなど生のものは一切遠慮させて頂いた。
ベトナムの路線バスは止まってくれない。あなたの勇気が試される。
この日は国内線でホーチミンからダナンまで行き、そこからホイアンへ向かう予定だ。
国内線は、タンソンニャット国際空港に隣接する国内線ターミナルを利用することになるので、昨日日本から到着した空港へ再び向かうことになる。
ホーチミン市内から空港まではベンタイン市場前のバスターミナルから、152番のバスに乗って行くことに。
バスターミナルにはひっきりなしに様々なバスがやって来てはすぐに走りだす。しばらくバスの流れをぼんやりと見つめていると、車体に152と記載されたバスがやってきた。
これだ!と思い私乗りますアピールをしながら近づいたのはいいものの、完全に止まる気配がない。
あれ?間違ってる?
と不安になるが、乗車口は完全に開け放たれ、スタッフが手を拱いているのでまず間違いではない。
でも止まらない。
止まらないけど、乗れという。
そうか、そんなに1分1秒を争っているのかと、ベトナムの公共交通機関の日本にも負けない時間にシビアな姿勢に感心しつつ、重たいバックパックを背負ってドタドタ走りバスの速度に合わせながら開け放たれた乗車口近くにある手すりに掴まり無事空港行きの権利を獲得したのだった。
市内から空港まで、6,000ドンだったので、やはりいかにタクシーとはいえ昨夜の700,000ドンという金額が高かったことか。。
渋滞に巻き込まれることもなく、30分程度で空港へ到着。
国内線ターミナルへ移動し、まだ時間があるのでカフェでちょっと一休み。
333のビールを注文すると、350mlの缶と、目一杯氷が入ったジョッキ、そしてストローが出て来た。
これが話に聞くベトナムスタイルか。
ちょっと試してみようかと思ったのだが、もし氷が生水から生成されていたとしたら・・・と思ったら怖くて氷を使うことはできず、そのまま缶で頂く。
缶も十分に冷やされており、アジアらしいあっさりとどこか甘みを感じるようなビールの味を存分に楽しむことが出来た。
国内線のチェックインは、英語がほぼ出来ない僕でも問題なかった。
やはり、ベトナムの路線バスは止まってくれない。
無事ダナン空港へ到着する。
ここからホイアンへ行くのだが、タクシーの運転手が声をかけてきてホイアンまで50$だと。
あまりの高額さに相手にせず、ダナン市内から路線バスで行くことにした。
市内までは原付の後ろにまたがって移動するバイタクで。
小太りで色黒のおっさんに、これまたバックパックを背負ったおっさんが必死でしがみつくという、新手のプレイでも楽しんでいるのではなかろうかというバイタクの醍醐味を存分に味わってダナン市内へ。
ホイアンへ行くバス停で下ろしてもらい、しばらくホイアン行きの路線バスを待つ。
運良く、10分もしないうちにホイアン行きのバスが来たので、乗るアピールをする。
しかし、乗車口は開け放たれているものの止まる気配がない。
止まらないけど、乗れという。
・・・おまえもか。
しかも、ホーチミンから空港へ行く時乗ったバスより速くないか?
1秒も無駄に出来ないベトナムの交通事情に感心感心しつつ、重たいバックパックを背負ってドタドタ走りバスの速度に合わせながら開け放たれた乗車口近くにある手すりに掴まり無事ホイアン行きの権利を獲得したのだった。
ベトナムに来たらぜひ旧暦14日に合わせてホイアンに行くべき。
およそ1時間ほどでホイアンに到着。
あぁ、なんてのどかなんだ。
ホーチミンの喧騒はなく、古い建築物が残され、時間の流れがゆったりとしている。
いい街だ。
まずは今日の宿を確保しなければならなかったので、事前に目をつけておいた宿に向かう。
実際にその宿につくと、入り口からロビーにかけて中国らしい装飾と置物が並びガヤガヤと賑やかな印象を受けるが、中庭にはプールもあり、建築は古さを感じるものの、部屋は落ち着きがあり風情すら感じられる。
無意識のうちに体がその居心地の良さを瞬時に感じ取ったのか、気づけば受付のお姉さんに2泊お願いしていた。
しばらく宿の部屋でゆっくりしているとお腹が空いてきた。
夕食の時間には少し早かったが、散歩がてらホイアンの街をぶらつき「地球の歩き方」に載っていた食堂へ向かう。
地元でも人気の食堂とのことだが、まだ少し時間が早いせいかそこまで混雑していなかったのですぐにテーブルへ。
コム・ガーという鶏ガラで炊いたご飯のうえにローストチキンをのせた料理とビールを注文する。
おいしい!
鶏ガラでしっかりと風味のあるご飯と、少し甘めに味付けされたローストチキンのバランスが絶妙だ。
お店には申し訳ないが、お腹が心配だったので付け合わせの生野菜だけ残させてもらった。
追加に注文したサイゴンビールを飲み干し、千鳥足で夜のホイアンを散歩する。
この日は偶然旧暦の14日にあたり、ホイアンの街では各家の軒下にカラフルなランタンが下げられ街全体が幻想的な雰囲気だった。通りも歩行者天国になるので、夜の散歩にはうってつけだ。
ラルービールとサイゴンビールの酔いと相まってなんとも言えない心地良さに包まれながら宿までの散歩を楽しむ。
なんだか今日はゆっくり眠れそうだ。