ベトナム国内の移動は鉄道も味わいがある。ホイアンからフエへ、ベトナム中部を移動。
朝の8時前に、昨日フエまでのチケットを手配したツアーオフィスからバスが出発するのでそれまで来てくれと言われる。
朝早かったが、宿でバイキング朝食。その後チェックアウトし、2泊お世話になった宿にさよならした。
ツアーオフィスに到着してしばらくすると、僕が乗るであろうバスがやってくる。
てっきり、ホイアンまできた時のような路線バスだと思っていたら、なんと豪華な長距離用バスではないか。
車内の座席は両窓側と中央の3列で、それぞれが上下2段になっている。2段ベッドの寝台列車のようなものを想像してもらうとわかりやすいだろうか。間に通路を挟んでいるので座席間の間隔も十分ある。
そして、一人一人フラットに近いところまでリクライニングができるシートになっているので、夜通しの長距離移動にも適した作りになっている。
車体自体は少し年季が入っているものの、こんな立派なバスだと教えてくれれば、なんならフエまでバス一本でよかったのに!
ダナン駅を探せ!
こちらの要望通りしっかりとダナン到着時に声をかけられ、見事に降ろされてしまった。。。
しかも長距離バスがわざわざ込み入った市街地にあるダナン駅までは行かないようで、郊外の車がビュンビュン通る大きなバイパスでころんと降ろされてしまった。
ここはどこだ?
さっぱり場所がわからない。
ダナン市街に近いはずなので、とりあえず近くの目に入った銀行らしき場所に行き、道を訪ねてみる。
が、受付のお姉様方、英語がまったくわからないらしい。。。
地図を見せて駅に行きたいということを伝えてみると、3人くらいわらわらと出てきて地図をぐるぐると回転させながらあーでもない、こーでもないと話ている。
無論、僕には何をいってるかさっぱりわからない。
最終的に、今いるであろう場所を、地図にグリグリとボールペンで印を付けてくれた。
のだが、印を付けたあとも、受付のお姉様方であーでもない、こーでもないとしばし話しているご様子。
というわけで僕は思った。
これって本当にあってるのかな。。。?
僕の為に時間を割き、一生懸命考えてくれたことにお礼を伝え、しばらく歩いてもし違うようならまた聞けばいいかと。
まさか初めての海外一人旅で、自分が今どこにいるかもわからないような状況に遭遇するとは思ってもみなかった。
おまけにぱらぱらと雨が降り続いている。スコールのような豪雨ではないのでまだいいが、不安な気持ちをより一層大きなものにするには十分過ぎるほどのどんよりした空の色だった。
20分ほど、雨の中を歩いていると、目印にすべき通りや建物が見えてきたのでどうやら銀行のお姉様方が教えてくれた通りで合っているらしかった。
疑ってごめんなさい。。。
無事、ダナン駅に到着!
鉄道の移動ものどかでいいけど、一人きりにはさせてくれない。。
ダナンからフエまでの列車は12時18分発なのだが、時間を過ぎても一向に列車がくる気配がない。
待合室にはベトナム語でしきりにアナウンスが入っているのを聞いて想像するには、どうやら遅れているらしいと。
まぁ、インドなんて平気で2、3時間遅れるし、そのくらいかかるかもなぁと気長に待つことにした。
1時間程すると、僕が乗ろうとしている列車のナンバーが電光掲示板に表示され、入場が開始されたらしい様子だったので、ホームまで進むとすぐに列車が来て乗り込むことができた。
列車は両脇2列2列のシートで、現地の人で満席。
隣のベトナム人に話しかけられるも、かなり訛りのある英語で申し訳ないがほとんどわからなかった。
民家すれすれを走り抜ける列車は、やがて海を望む市街へ抜け、フエへと向かう。
フエまでのおよそ3時間近く、3分の1は車窓に流れるベトナムの風景を楽しみ、3分の1は隣のベトナム人に一方的に話しかけられ、3分の1は隣のベトナム人をやり過ごす為寝たふりをして過ごす。
フエの9月は暑かった。安宿はなるべく低層階に部屋を取った方がいい。
かつての都があった街の駅とは思えないほど、こじんまりとしたフエの駅は、数席の待合用の椅子に売店があるくらいで、田舎の駅らしい佇まいだった。
駅から宿が集まる新市街地までは4kmほどだったので、せっかくならと、バイタクを捕まえずゆっくり歩いて向かうことにした。
東南アジアというだけあって、じっとりとまとまりつく空気は何もせずとも汗を滲ませるので、重たいバックパックを背負って20、30分歩こうものならTシャツの色が変わってしまうくらいとめどなく汗が吹き出てくる。
ようやく安宿が点在する旧市街につくと、まずは目当ての宿をあてってみる。
結構繁盛しているようで、残念ながら満室とのことだが、近くに系列の宿があってそこなら空いているということで案内してもらった。
フロントがある1階部分は路面に開け放たれいかにも安宿のような雰囲気がありつつも、解放があり、奥にはソファもいくつか並べられPCも自由に使えるというしっかりとした宿だった。
今日はほとんど埋まっていて、最上階の部屋しか空いてないが、明日は路面に面したテラスのある別の部屋があるので2泊するなら移動してもいいと。
明日また汗ダラダラになって新しい宿を探すのも面倒だったので2泊お願いすることにした。
エレベーターという文明の利器はなく、最上階の5階まで歩き疲れた足を一歩一歩持ち上げるのはかなりこたえた。。
4畳半にベットしか置いてないような質素な部屋だったが、最上階らしく窓からはフエの街を遠くまで見渡すことができた。
フエの名物料理。ブン・ボー・フエは最高にうまい!
フエにはかつて都が置かれていたこともあり、国じゅうから集められた一流の料理人が皇族たちの為に腕をふるった豪華な宮廷料理「フエ料理」が名物らしいが、いかんせんお金のないバックパッカーの身分なので、こちらはまたの機会にするとして、太めで柔らかい米麺に少しスパイシーなスープがからむ「ブン・ボー・フエ」というフォーの名物料理があるそうなので、そちらを食べにいくことに。
宿から10分ほど歩いた、車が多く通るバイパスに面した小さな食堂が地元でも人気ということでそこでブン・ボー・フエを食べてみる。
ブン・ボー・フエとビールを注文すると、すぐに白いお餅のようなものが出てきた。
お皿には一緒に値段のような数字が記載された紙の切れ端がのっていて、サービスではなさそうだったので手をつけずにそのままにしていると、料理が出て来るタイミングで下げていった。
後々調べてみると、辛みのあるブン・ボー・フエを食べたあとに、口直しとして甘いお餅を食べるのが定番らしい。
さて、メインのブン・ボー・フエだが、ベトナムで食したどのフォーよりも群を抜いて旨い!
少し甘さも感じられるスープに、絶妙な加減で辛味が加えられていて、これらがしっかりと食べ応えのある米麺に絡むうまさといったら。
骨つきのごろっとした肉も添えられ、ボリュームも十分。
そういえば、朝からあまりまともに食事をとっていなかったなぁと思い返して、あっと言うまに完食してしまった。
おもわずビールを追加で頼み、とてもいい気分でお会計。
ベトナム中部にはその地域だけのビールがあるらしい。
帰りにその辺の商店でビールを買って帰る。
再びえんやこら5階まで登り、昨日、ホイアンで購入したLARUE BEERのTシャツに着替えて寝る。
そういえば、フエでは333やサイゴン、LARUEはあまり見かけず、かわりにhudaやfestivalという銘柄のビールばかり売っている。
味の方は、hudaはどちらかといえばラルーに近く、よりあっさりした飲み口だろうか。festivalはそれらに比べれば若干クセのある飲み口だった。
ベトナム国内でも地域によって扱うビールの種類が違うのだろうか。
明日は1日ゆっくりフエを観光しよう。