今時の高気密住宅の新築は石油ストーブを使えないって本当!?
我が家は2年前に新しく家を建てたのですが、暖房器具をトヨトミの対流式石油ストーブにしました。
その理由を以下にまとめております。
今回は、もうちょっと突っ込んだ話として、なぜメーカーで推奨するエアコンにしなかったか、新築で石油ストーブは大丈夫なのか、ということについてお伝えしたいと思います。
なぜエアコンにしなかったのか?
どんなに性能が上がっても、現時点では私が住んでいる東北の寒い地域の冬を越すのにエアコンだけでは効率が悪いからです。
私は決してオール電化を絶対的に反対しているわけではありません。
毎月の電気代だけを切り取って、さもランニングコスト(本当の意味でのランニングではない)が安いような見せ方しかされないのが嫌いで、耐用年数、イニシャルコスト、メンテナンスコストなど自分で調べてそれでも納得のいくメリットが得られるのであればオール電化もいいと思うのです。
高気密、高断熱の住宅であればエアコン&床暖房、いいじゃありませんか。
でもその導入費、電気代、修理費、そして買い替え費用、すべてがっくるめて本当に安いのだろうか。心地よい暖かさを得られるのだろうか。
僕の場合は結論として、熱を得るのに電気エネルギーは非効率だという結論になったのです。
新築で石油ストーブは大丈夫なの?
よく聞く話だと、家を建てる際に業者から「ウチは高気密住宅だから石油ストーブや内部で燃焼するファンヒーターは使えない」ということ。
理由としてよく聞くのは
湿度上昇による壁内結露
灯油を燃焼させる暖房器具の場合、ざっくり1リットルの灯油を燃焼させると、ほぼ同じ量の水分が空気中に排出されます。
高気密の場合、部屋中の水分が排出されずらく、行き場を失った過剰な湿気が壁内に移動&溜まり、外部との温度差によって結露が生じ壁内の腐食が進むというのです。
空気中の二酸化炭素濃度の上昇
火を燃やすということは二酸化炭素も空気中に排出されるので、空気が汚れてしまう。
換気をしないと一酸化炭素中毒などの危険性があるので使用を禁止されるというのです。
しかし、よく考えてみてください!
エアコンを使えば空気が乾燥するので、加湿器の使用を勧められるはずです。さらにいえば、料理の煮炊きや部屋干しなど、生活をする上で湿度が急に上昇する状況なんて多々あります。
その湿気を排出しずらいとされるのは、そもそも家の性能として欠陥だと思います。
ちなみに、我が家ではずっと石油ストーブを点けているリビングの湿度でも50%程度で、むしろ乾燥気味になっています。
家の作りや状況によっては二酸化炭素濃度には注意
湿度よりも二酸化炭素濃度の上昇には多少気をつけなければなりません。
省エネルギー基準をクリアする住宅を建築する為に、現在建てられる新しい家は気密性能が以前より上がっていることは間違いありませんから、計画換気以上の空気入れ替えが必要になるような状況を避けるために、業者もリスク回避のため使用禁止としているはずです。
ですが、我が家では「試しに石油ストーブでやってみよう!」と新築の暖房として対流式の石油ストーブを導入して3シーズン目、正直換気に気を使ったことはほとんどありません。
2階含めておよそ100㎡の家のほぼ全てを1台のみでまかなっているというのもありますが、
・ストーブによる暖かい空気がどう流れていくか
・その場合の計画換気の排気口をどこにすべきか
・各部屋の吸気口から入ってきた空気がどう流れるか
など、自分なりに考えていたのも理由のひとつではあります。
1日中閉め切った小さな部屋でストーブを点けて動かずじっとしているならいざ知らず、玄関を開けたり、ドアの開け閉め、家を留守にするため暖房を消したりと空気は常に動きますからね。
二酸化炭素が増え、燃焼の為の酸素が少なくなると不完全燃焼により一酸化炭素の発生が懸念されます。
一酸化炭素は無色・無臭で発生に気づくことは出来ないので、命を守る為にも一酸化炭素警報機を設置することをおすすめします。
我が家でも、価格を抑えつつ、それでいて信頼できるメーカー製品としてKiddeの警報機を購入しました。
詳細は別記事でどうぞ。
「今時の高気密住宅=石油ストーブは使えない」ということはない!
石油ストーブの事実として
・燃焼した灯油量とほぼ同じ水分量が空気中に排出される
・燃焼に伴う二酸化炭素が空気中に排出される
というのは間違いないことです。
ですが、それらが本当に使用禁止されるレベルのものであるのかどうか。
ネットや業者の話をそのまま受け入れるのではなく、もしエアコンの暖房に不満を抱いているのであれば、納得のいくまで業者と話してなぜダメなのか、内部燃焼の暖房器具を使う手段はないのかなどしっかりと話してみることをおすすめします。
結局のところ、家のつくり、生活の仕方はそれぞれなので、一概に「今時の新築=石油ストーブは使えない」ということはない!というのだけでも伝えられれば幸いです。
余談、輻射熱を味わうとエアコンなんて戻れない
我が家は石油ストーブで家の暖房をまかなって3シーズン目ですが、輻射熱により人間が体感として暖かいと感じる恩恵はかなり大きいです。
エアコンは空気が温まらないと人間も暖かく感じませんが、輻射熱は電磁波(無害です)によって直接芯まで温まるので、空気が温まる前でも温もりを感じることができます。
そして家の躯体も同じように輻射熱で温まり熱を放出するまさに“包まれるような暖かさ”を味わうと、もうエアコンの表面的な暖かさには戻れません。。。
これがメンテナンス容易、イニシャルコストが格安の石油ストーブで得られるのですから。
コメント
今年の春に高気密高断熱の新築に移り住みました。
20畳のLDKにトヨトミks-67hはオーバースペックでしょうか?
1月の最低平気気温がマイナス5度程度の地域に住んでいますが、実際にこの家で一番寒い時期を経験していないので暑すぎて使いづらいとなると勿体ないと思い購入に踏み切れません。
>miiさん
コメントありがとうございます!
そして返信が遅くなってしまい大変申し訳ございません。。もう暖房器具は対応済みになってしまいましたよね。。
高気密高断熱の20畳であれば十分すぎるくらい暖房効果は得られると思います。
我が家も暑くなりすぎて消したり点けたりを繰り返す時もあります。。。(笑)
が、それでもやはり躯体がしっかりと温まってくれているからこそだと思うと、これが例えばもっと小さいストーブであれば躯体が温まるまでにかなり時間がかかりますし、それまで寒い思いをするよりは多少オーバースペックくらいで満足しています。
2、3日留守にするとks-67hでも躯体が温まるまでは思ったより寒く感じるかもしれません。
参考になるかわかりませんが、快適な冬を過ごせることを願っております!